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引用:コルナゴオフィシャルサイト

コルナゴの新しいフラッグシップと、狂気のような執念について。 



C60の生産終了時から噂になっていたコルナゴの新フラッグシップモデル。

エルネスト・コルナゴ氏の誕生日である2/9に何らかの発表があるだろう、という大方の予想どおり、C64が発表されました。 

テンションが上がりすぎたので、ノリで一気に記事を書いています(2/9時点)。



パッと見では何が変わったのかよく判らないC64ですが、よくよく見てみるとぶっ飛んでるな…と思えてきました。



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引用:コルナゴオフィシャルサイト
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引用:Cyclowired

C64(上)とC60(下)。
最初に印象的だったのは、シートクランプ部のラグとトップチューブの接合面が伸びている、ということでしたw
下記記事でさんざん注目した挙句、取り立てて結論が出ていない部位です。

COLNAGO C60 2016 - 概観 -

 
ゴリゴリにマッチョだったC60と比べると、サラリと一枚皮を剥がしたみたいで随分スリムになった印象です。






マジマジと見ると色々と変わってまして。

この記事をご覧の方は既にご存知かもしれませんが、主だった変化点を挙げると、


1.よりエアロなフォーク

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引用:First Look - Colnago C64. Lighter and wider tyres


C60ではラグを模した凹凸などがあったフォークですが、見た目もスッキリとカムテイル形状となったフォーク。
謎の切り欠きにどういった意味があるのかは不明です。
場所的にはルーベのゼルツエラストマーに似ていますが、振動吸収用でしょうか?
ピラーやヘッド周りと合わせた装飾な気もしますが。





2.ダイレクトマウントブレーキ

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引用:bikeradar


C60アニバーサリーで既に採用されていたダイレクトマウントブレーキがレギュラーラインにも。
Cシリーズの豊富な剛性を考えれば、ダイレクトマウントは最適な選択肢となるのではないでしょうか。






3.D型断面のシートピラー

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引用:bikeradar


V2-Rのものを持ってきたのでしょうか、こちらもエアロシェイプなシートピラーです。
クランプ部分も内蔵式となり、スッキリしましたね。

ピラー側への突き出し量が多くなったため「スローピングきつくなったかな?」と思いましたが、ジオメトリ表を見比べたらC60と全く同じジオメトリでした。
シマノディスクブレーキコンポが410mmのチェーンステー長を要求している状況であるにも関わらず、相変わらず397mmから変幻自在なチェーンステー長を用意している辺りは流石です。
 




4.まとめられたワイヤールーティング

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引用:コルナゴオフィシャルサイト


シフト関係のワイヤはダウンチューブ前方に纏められました。
C60のシフトワイヤールーティングは真っ当に組むとヘッド周りでワイヤがねじれてしまう形だったので、この変更は歓迎されるでしょう。
(電動ではさほど問題にならないはずなので、これは機械式のユーザを考えてくれているということかも)




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引用:コルナゴオフィシャルサイト



ちなみに、V2-R(上)やCONCEPT(下)と見比べてみると、似ているようでどれも違う形のようですね。
台湾メイドの二台にCシリーズが寄せてきた、というのはなかなか興味深いことです。




…とまあ、 このあたりは順当に「モダナイズド」された、という程度の内容ですが、そんなので終わらないのがコルナゴです。

 






コルナゴのいかれっぷり




a.ラグドのまま180gを削るためのクレイジーなカーボン成形 


「インナーラグ使ってるから5シリーズです」とのたまうL◯◯Kや、サクッとモノコックに置き換えたT◯MEと違い、「ラグドフレームはロマン!そこは譲らん」と言わんばかりのスタイルを貫き続ける武闘派(時代錯誤?)なCOLNAGO。

そこは譲らないまま、180g以上をフレームから削り落とし、且つ剛性を上げるためにとんでもない造形を見せつけてくれます。



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引用:コルナゴオフィシャルサイト


カーボンで一体成型されたドロップラグ。
C60は金属製でしたが、ようやくカーボンになりました。
こんなものはまだ序の口です。



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引用:cyclesports

ボトルケージをチューブに密着させ、よりエアロにするための複雑な造形。
ボックス形状で、ダウンチューブの剛性強化にも一役買っているのではないでしょうか。
かつてチューブ内にリブを設けたC59と同様の狂気を感じます。




 
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引用:bikeradar

ヘッド周りのチューブをつなぐカーボンラグ。
C64はヘッドチューブ下の窪みが特徴的ですが、こんな複雑な形状のラグ初めて見ました。
C60から不要な部分を削りとったように見える一方で、実際にはニールプライドのBURA SLのようにねじれ剛性をカバーするガゼットのような役目を果たすのではないか、と推測できます。


 
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引用:bikeradar


そして、最高にイカれたBB。
スレッドフィット82.8と名付けられたこのBBは、セラミックスピードが大幅に関与しているといいます。


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引用:Lakeside Bicycles

C60から採用され、V2-rやCONCEPTにも用いられたスレッドフィット82.5。
その構造はBB内に入っているネジ切りされたアルミスリーブ(白いやつ)と、プレスフィットBBの受けとなる枠部分(黒いやつ)で形作られています。


これによって、プレスフィットBBの受け部分を交換可能とし、精度を出すとともに受け部分が拡張されてしまったら取り替えればいい、という安心感を産んでいました。

C64のスレッドフィット82.8では、フレーム側にネジを用意するためのこのアルミスリーブを廃止してしまいました。
じゃあどうやってネジを用意するのかというと、上のラグの写真をよく見ると判るように、カーボン部分にネジ山部分だけが貼り付けられています。。。

これによって、中央部分の重量を削りつつ、スレッドフィット82.5を維持するという…
なんだそりゃ。






b.ディスクブレーキへの気合の入れよう


もはや止められない流れを作られつつあるディスクブレーキ。

C64にもディスクブレーキモデルが登場するようですが、その気合の入れようが尋常じゃありません。



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引用:bikeradar


一見普通なようでいて、ディスクブレーキモデルはワイヤが全て内蔵式になっています!

どうやって実現しているのかというと、

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引用:First Look - Colnago C64. Lighter and wider tyres

これ。
C型断面のフォークコラムです。(チネリのロゴみたい)

ただディスクブレーキ用のフォークを作るだけではなく、サラッと変形コラムを用いたチューブ内装を行っているあたり、コルナゴの本気度が伺えます。





コルナゴの狂気





コルナゴは頭おかしい。


「ラグドフレームはマーケティング上の制約」「無駄なこだわり」という声を歯牙にもかけず、あくまで「最前線で戦う最強マシン」として必要なあらゆるブラッシュアップをラグドフレームに押し込み、プロツアーで勝利をもぎ取る戦闘機を作り続ける。

ジェット機が飛び交う戦場に魔改造レシプロ機で殴り込みをかけるような、そんなイカれっぷりに痺れます。



同郷のカンパニョーロにも言えることですが、イタリア然としたおしゃれなルックスで周りを魅了しつつ、その根底に流れるスピリットはいつも「レースで勝つために」という一貫した激アツなもの。

しかしながらレースで勝つために自らの挟持・ロマンを捨ててサイボーグになりきらず、古典的な肉体と熱き魂で鍛錬を積み重ねたような、そんな歴史を持つCシリーズの、その最新型。

時代に合わせたスリムでスマートな雰囲気をまといつつ、ラグドフレームの境地を目指して異常なまでの情熱を投入したのではないかと思えてしまう、そんな一台。





C60を愛する身としては王座を降りた我が愛馬に一抹の寂しさを覚えつつ、その変わらぬ魂に羨望と賞賛を贈りたいと思います。
ここまでくれば、是非エルネスト氏には長生きしていただいてC70まで出してほしいところ。 









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引用:コルナゴオフィシャルサイト

ちなみに、個人的にはこの色がやっぱり素敵だと思います。
せっかく削った重量をペイント分でまるごと戻している気がしますが、コルナゴはこうでなくっちゃ。
因みに69万円だとか。