P1060878


靴は大事です。





自転車に限らず、靴の形は人に大きな影響を与えます。


 IMG_2960

 
自転車以外でも靴は大好きなのですが…




IMG_2345


今回は新しく買ったロードシューズ、Mavic Cosmic Ultimate 2の話。
 
 


買うまで


 
 
それまで履いていたのはShimanoのSH-R260。
→シューズ買いました。 SH-R260と熱成形 

このシューズも相当具合が良く、
熱成形による適度なフィット感と、ロングライド派には嬉しいソール前後のゴムの多さがポイント高でした。


 
しかし、履き込んでいくうちに少しずつ伸びて左右に緩くなったこと、
また、C60に乗り変えてからシマノのダイナラストの反り具合がイマイチ合わなかったことから、
比較的タイトで、ソールがフラット気味のシューズを探すことにしました。
 
 
靴を買う時に必ず行くのが、上野のアートスポーツ ANNEX。
他スポーツの知見も深いせいか、自転車ショップの中ではシューズのフィッティングが丁寧な印象を受けています。
 
 
足を測って頂いて、レコメンドされたのは42のノーマルウィズ。
履いてみると、明らかにタイト。軽く小指が薬指の下に潜りそうになり、
「これは駄目では…」と思ってワイド幅のMaxiモデルを出していただくと、
今度は誂えたかのようにぴったり。何処にも痛みがなく、しかし遊びもない。
 
 
これ下さい、と言おうかと思った僕に、店員さんが一言。



「Mavicは、伸びますよ」
 


 
ほんまかいなと。



 
昔のメッシュだらけの軽量シューズHuezなら分かる。
が、明らかに硬い素材で出来ているこのCosmicが、伸びるのか?
 
迷いに迷うも、緩い靴ならこれまでのシマノでも十分…と思い、
そのままノーマル幅を購入。
 
 

別の日に改めて履いてみると、やっぱりタイト。
でも、インソールをお気に入りのスーパーフィートに変えてみると、足のアーチが整って、わりと楽に。
そのまま一ヶ月ほど使ってみたら、全く痛くなく、何処にもストレスがかからない最高のシューズになってました。
店員さん、疑ってすみません。






細かく見てみる


 


P1060875

 
というわけで、細かいディテール。
アッパーは、甲の部分までが薄いカーボンシートで覆われており、固定に大きな役割を果たす甲付近の伸びが抑えられるように作られています。
黄色い部分は薄くて硬く、普通のシューズとは少し違った素材で出来ています。
とはいえ、足には良くフィットします。
ただし、汚れが壊滅的に落ちにくいです。


IMG_2340

重量はこんな感じです。
結構軽いですね。



IMG_2346

 
ダイヤルはBOAタイプ。回転方向は、靴を履いた状態で前方に回す(=つま先方向)と締り、逆に回すと緩みます。
他社のワイヤータイプにあるような、押し込むと全リリースできるような機能はありません。
 


P1060882

 
ヒール回りは非常にコンパクト。外側には何やら仰々しい名前(エナジーロックカーボンコンプ)が付けられたヒールカウンターがついており、緩みを防いでいます。
一方で内側にはスニーカーのような厚めのパッドが貼られており、踵が小さい人でもソフトにホールドしてくれます。
このフィット感はたまりません。




IMG_2360

インソールはOrtholiteというインソールメーカーのものです。
熱成形インソールがついてくるシマノほどではありませんが、標準装備のインソールとしてはなかなか質が良いもののように思います。




IMG_2362
 
 
ソールはMavicのシューズでは最も硬いSLRソール。
実際に乗ってみると、硬さの中にもしなりが残っているような、とても具合の良いソールです。
ガチガチ一辺倒ではない感じ。 
真ん中に大きく空いたインテークにはメッシュが貼られています。冬は寒いです。
つま先と踵のゴムは交換不可。歩くための靴ではないにしても、この点はマイナスポイントです。

クリート固定のボルト位置は、シマノより少し前にあるように思います。
可動範囲の余地はあまりありません。
 
ソールの反りが少ない形状は、最近のトレンドである前乗りに適した形状。
シマノのダイナラスト以上にフラットなソールとなっています。
このソールが今回購入した決め手でした。
というのも、ソールの形はポジションにまで影響してくる、とても重要なものだと考えているからです。


余談:ソールの話







18

 
一時期はつま先側が大きく沿った、S字型のソールが流行っていたように思います。
このタイプのソールは、後ろ乗りで足首を伸ばしたような乗り方に適したシューズだと考えています。
 
試しにつま先を持ち上げみてもらうと、スネ側の筋肉に力が入り、つい足首を伸ばしたくなったりはしないでしょうか。

極端なイメージとしては、ハイヒールを思い描いて頂けるといいかなと思うのですが、
つま先が上がった状態とは、足首が伸びた状態でペダリングすることを前提としており、
これはつま先側にクリートをつけて、後ろ乗りで前に蹴り出す、例えるならばリカンベントのようなペダリングで乗ることを想定しているのではないか、という雑な想像をしています。
一方で、近年フラットなソールが増えつつあるようにも思います(アダム・ハンセンのシューズのような)。
フラットなソールを使ってみると、足首を直角にしても苦にならず、踵側から体重を乗せるようなペダリングの方が乗りやすいと感じます。
 

 
どちらのタイプのソールが良いか、というのは乗り方によって違うと思うのですが、
もしかすると、他の部品が想定している乗り方と違うシューズを選んでしまうと乗りにくくなってしまうかもしれません。
というのも、サドルにも前乗りのために作られたサドルもあれば、後ろ乗りのために作られたサドルもありますし、
フレームによっても進め方が違うので、前乗りの方が進むフレームもあれば、後ろ乗りの方が進むフレームもあります。


 
 
なので、本当に大事なのは「フレーム・サドル・シューズが想定しているポジションを統一し、そのポジションで乗ること」
もしくは、「自分のポジションに合わせたフレーム・サドル・シューズを選ぶこと」だと思います。
 
「自転車に身体を合わせる」のか、「身体に自転車を合わせる」のかというだけの違いなのですが、
その統一感を意識しておくことは、ひょっとすると想像以上に重要なのでは?と最近思っています。