IMG_2140

カーボンクリンチャーを何故買ったの?というお話。


※一個人の意見です。


以前の記事で「10万円以上で買うならアルミクリンチャーが良いのでは」という記事を書いておきながら、 ここ最近カーボンクリンチャーが気になっていまして、2本ほど買ってみました。 
何故買ったのか、買ってみて実際どうだったのか、おすすめできる人はどういう人か、など書いていきたいと思います。


 
 
sponsored link




何故買ったのか



IMG_2139
ReynoldsのAttackを買ってました


そもそもカーボンクリンチャー、全く興味が無かったです。
カーボンクリンチャーにはネガティブな部分が多い、というのがこれまでのイメージでした。

1.そんなに軽くない 

2.その割に高い

3.取扱に気を使う


これらのネガティブ要素が、購入を検討して、そして実際に使った結果どのように変わったのかは後で記すとして。




まずは、カーボンクリンチャーを買おうと思った理由ですが、

一言で言えば
「スチールスポークでしっかり走るクリンチャーホイールが欲しい」
ということです。 


そもそもホイールに求める普遍的な性能は4つあるかなと思っています。

1.軽い
特に、回転外周部であるリムが軽いこと。
2. 硬い
ホイール全体やリムがしっかりとしていて、必要以上に力を逃がさない。
3.快適
衝撃が伝わり過ぎず、乗り心地が良い。
4.エアロ 
空気抵抗が低くなるように設計されている諸々。エアロスポークだったり、リムハイトが高かったり。

他にも大事なポイントとして見た目という要素がありますが、これは性能ではないのでとりあえず除外で。

これらの性能を全て高レベルで共存させると「良いホイール」になるのだと思いますが、実際は非常に難しくトレードオフになってしまいがちです。



アルミリムでは、1.軽く2.固く作ろうとするとローハイトのアルミスポークになり、3.快適4.エアロっぽいホイールにするのは難しいです(例:Racing Zero)。


1.軽く 3.快適 に作ると2.固く 作るのは難しいですよね。(例:C24 CL)




4.エアロっぽく作ると1.軽く するのが難しいです。(例:Cosmic Carbon SL)

これ、フレームと似たような話で。 
アルミであらゆる性能を高次元でバランスよく持つのはなかなか難しいのかな、と思っています。 
(ある程度までの性能であれば、ZONDA等がバランスの良い性能を備えていると思います)


これまでZONDA、レーシングゼロ、キシリウムSLR、BORA One チューブラーなど使ってきた結果、
ZONDAのようなしなやかさを持ち、
レーゼロやキシリウムのようなしっかりとした感覚があるホイールが欲しいなと。
で、チューブラーは面倒なので、 できればクリンチャー。

ところがアルミリムのホイールって、大体値段が上がるとアルミスポークになってしまうんですよね。
スチールスポークで、手の込んだ軽めのリムを採用しているのは



C24 CL、



キシリウムエリート、

Vittoria-Elusion-Wheelset1431097368

ヴィットリアのElusionくらいでしょうか。
ただ、C24はリムが柔らか過ぎ、キシリウムエリートは全体的に値段なりの作り込み、Elusionはヴィットリアというブランドに迷う部分と、スポークテンションが高い部分に漠然と不安があったり。

クリンチャーでしっかりしたリムを使って、スチールスポークで乗り心地が良いホイールって何か無いかなぁと思った結果、カーボンクリンチャーありかな?って思ったのが興味を持った発端でした。




実際に使ってみて



IMG_2498

カーボンクリンチャーを実際に使ってみて、事前に思っていたネガティブポイントはそれぞれどう変わったのか。
一つずつ見ていきたいと思います。


1.そんなに軽くない? 



まず、ホイール全体としてはカーボンチューブラーほど軽くはないです。
主要因は、リム重量がアルミクリンチャーと同程度であることです。

また、クリンチャーホイールとしても決して超軽量とは言えないものが多いです。
スチールスポークを採用している場合はスポークがどうしても重めになってしまうので。
レーシングゼロカーボンのような、カーボンクリンチャーでもアルミスポークを用いているホイールでは少し話が違ってきますが。


しかし、カーボンクリンチャーは、クリンチャーリムとしてはある種のメリットを持っています。

カーボンリムはアルミリムに対して、同重量において
a.リムハイト
b.リム幅
c.硬さ

の3点でメリットがありました。

a.リムハイト
ReynoldsのAttackはリム重量380g。
C24の380gやキシリウムの400gと、ほとんど同じ重量ですが…
Attackはリム高29mm。C24やキシリウムに比べれば高めのリムハイトで、スポークを短くできるメリットがあります。

Cosmic Pro Carbon SL Cのリム重量は460g。
同重量のアルミホイールでは、ZONDAやC35があります。
40mmのリムハイトで460gに抑えられるのは、カーボンならではのものでしょう。


b.リム幅
最近の流行は、内幅17mmのワイドリムです。
CampagnoloのC17シリーズや、MavicのProシリーズなど。



しかし、アルミリムでワイドリムとすると、コレ結構重くなります。
例えばシャマルウルトラC17は、ワイドリムになる前のモデルに比べて全体で77g重くなっていることから、少なくとも片側でリム重量が30gくらいは増加しているのではないかと推測されます。
一方カーボンリムは、ワイドリム化後も重量が殆ど変わっていないホイールが多いので、ワイドリム化の流れの中では有利になりそうです。
(カーボンはワイドリムにしても強度を確保しやすいのでしょうか?)


c.硬さ
軽量アルミリムは、剛性面で不足を感じる事があります。
C24のリムは顕著ですが、軽量アルミリムにネジレ剛性等を期待するのは酷かもしれません。
一方でカーボンは材質の特性により、非常に硬いリムを作ることができます。
カーボンリムの剛性の高さは、コスミックカーボンアルチメイトのリムをハンマーでガンガンと叩く動画でも有名ですが、
例えばReynolds Attackは非常にしっかりとしたリムで、乗ってすぐに良さを感じる事ができます。





IMG_2095


つまり何が言いたいのかというと、
カーボンクリンチャーはカーボンチューブラーほど絶対値で軽量にはできないけれども
アルミクリンチャーと同程度のリム重量でリムハイトを高く、リム幅を広く、非常に硬いリムを作ることができる、ということです。
そして、そのリムのおかげで全体的にシャッキリとしたホイールになるように思います。ここは主観。




2.その割に高い?

ハッキリ言って、基本的に高いです。


とはいえ、Reynoldsのホイール等、安めのものも出てきているので多少性能に対して値段がこなれてきた印象があります。



15万円でアルミホイールとカーボンホイールで迷った時に、尖った個性を求めるか、オールラウンドの性能を求めるかで積極的にどちらかを選択できるのは良いことだと思います。


ただ、Cosmic Pro Carbonの32万円は頭がおかしい以外の言葉が思いつきません。



3.取扱に気を使う? 

カーボンクリンチャーの取り扱いで不安に思っていた部分は、
d.ブレーキの熱問題大丈夫?
e.タイヤレバー使っていいの?

という二点。


d.ブレーキの熱問題大丈夫?
ブレーキの 熱問題に関しては、結局のところ「ズルズル減速せずに、一気に減速する」に限るかなと。
ブレーキ時間を短くすれば、それだけリムの冷却時間を稼げるので問題ないと考えられます。 
ReynoldsもMavicも思ったよりブレーキが効くので、事前に想定していたよりは短いブレーキ時間で制動できると感じました。

IMG_2137


また、リムの耐熱性も進化している(と各メーカーは主張しています) ので、近い将来にはダウンヒルでも気にせず使えるようになるのかもしれませんね。
そもそもディスクブレーキにしちゃえば良いんじゃない?っていう話なんですが。


e.タイヤレバー使っていいの?
僕は普段ミシュランのタイヤレバー(廃盤品)を使っているのですが、幅広のプラスチック系タイヤレバーならそれほど問題ないのかなと思いながら使っています。
勿論ビクビクドキドキしながら最小限の頻度でタイヤレバーを使っていますが、 それでもリムから異音がしたとか、撓んでいる感じがしたということは無いです。
※金属製のレバーは勿論NGです。




まとめ:カーボンクリンチャーは誰のためのものなのか



IMG_2479

 
まだまだ発展途上であり、 同時に非常に面白い存在であるカーボンクリンチャー。
誰が買うべきで、誰が買わないべきでしょう?


買うべき:
・メインはロングライドで、軽い走りと、クリンチャーのパンク修理性と、比較的快適な乗り心地を得たい人
・一本のホイールで色んなシチュエーションをこなしたい人
・普段使いのホイールでディープリムを楽しみたい人
・高級アルミクリンチャーやカーボンチューブラーを持っているので、ちょっと違ったホイールを欲しい人
・カーボンホイールの見た目が好きな人

買わないべき: 
・予算に限りがある中で、ロングライドやレースに性能特化したホイールが欲しい人
・チューブラーの取り扱いに慣れていて、わざわざクリンチャーを使う必要が無い人
・ダウンヒルでついついブレーキをかけっぱなしにしてしまう人 


纏めましょう。
カーボンクリンチャーは、クリンチャーの範疇で 1.軽い 2. 硬い 3.快適 4.エアロ の全要素をバランス良く備えることができる面白いジャンルです。
そして、見た目も良しです。

ただし、1つの性能に特化しようとすると高級アルミクリンチャーとそれほど性能差が生まれませんし、まだまだ割高な買い物であることも事実です。

IMG_2074


以前オススメしたように、高級アルミクリンチャーは非常に刺激的で、是非一度は踏み込んで頂きたい分野です。
高級アルミクリンチャーを買わずにカーボンクリンチャーを買っても、結局アルミの方も欲しくなってしまうのではないかと思うほどに。


なので、高級アルミクリンチャーとカーボンクリンチャー、どちらが優れているということではなく、自らの用途や、手持ちのホイール・フレームとの兼ね合いで選択するのが良いのだと思います。
しかし、ある程度の人々への選択肢として「遂にカーボンクリンチャーがアルミクリンチャーと同じ土俵に上がってきた」ということは間違いありません。