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"So fast, they need the best braking"
 

C60のインプレもまだ書き終わってないのですが、
かなり興味があったホイールを買ってみました。

「あれ、お前アルミクリンチャー推しじゃなかったっけ?」という話については、
別に記事を書きます。多分。
2017年1月追記:書きました。


カーボンクリンチャーって実際どうなの、というのを試してみたかったというのもありつつ、
もっと単純に、カッコイイから、っていうのが本音。

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ほらかっこいい。



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じっくり見てみる





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Mavic初の「フル」カーボンクリンチャーがこのCosmic Pro Carbon SL Cと、
同時発売のKsyrium Pro Carbon SL Cです。
流行に沿った40mmハイト・25mmワイドリム

クリンチャータイプのコスミックカーボンシリーズは

・アルミリムにカーボンフードを被せたもの(含むエグザリット)
・カーボンリムにアルミの補助材を入れたもの

がありましたが、リムがオールカーボンのモデルはこれまでありませんでした。
Mavicは「これまでカーボンクリンチャーは我社の厳格な基準に満たなかった〜」とか言ってますが、
要はカーボンクリンチャーのノウハウが不足していたってことなのではないかと邪推しています。
カーボンチューブラーのリムはコリマにかなり依存していたMavicですが、そのコリマもLOOKに買収されてしまい、
自分の所で作りつつも当初の発売日に間に合わず、
Enveの買収でなんとか発売にこぎつけた…という邪推に邪推を重ねた推測。


どうでもいいんですが、名前がめちゃくちゃ長いのと、
これまでコスカボと省略していたのが省略しにくいのがちょっとした不満です。
コスプロカボとかコプカボとか呼ぶんでしょうか。






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40mmハイトというちょうどいい高さのリムは、公式発表で450g
25mm幅/内径17mmのワイドクリンチャーリムとしてはそこそこ軽い重量です。
ただし、リムテープ仕様。


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ブレーキ面はiTgMaxという、カーボンのレジンを部分的に除去して凸凹を作り出す技術が用いられています。
確かに触ると、ブレーキ面はかすかに波打っていて、ざらざらしています。
ブレーキ面以外の部分には薄いクリア塗装が乗っているような感じ。
Campagnoloの3Diamant処理を彷彿とさせます。
ブレーキシューは専用の黄色いもの。
スイスストップ製なので、イエローキングなのかな?


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ビード面はレイノルズと較べても負けない程度にはキレイです。
バルブホールから中を覗き込むとバルーンが見えるので、レイノルズのような綺麗な内面ではない模様。
Enveのリムそのまま、ってわけでも無いようなので、数年のうちに改善されるか、上位モデルが出るかも?
メーカー推奨タイヤ幅は25cから。



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スポークは扁平されたスチールスポークです。
実物は写真で見るより遥かに太く見えるので、パッと見るとアルミのジクラルスポークに
見えなくもないです。前が18本、後ろが24本。
ちなみにキシリウムプロカーボンの方はもうちょっとおとなしいスポークだとか。

フロントハブはキシリウムエリートのハブかと思うほどのあっさり&安っぽい雰囲気。
これはそのうちカーボン化されてCosmic Pro Carbon SLRとかになる予感がします。



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リアハブは新設計。
スチールスポークでイソパルスしてます。
フリーはInstant Drive 360という新型のもの。
二枚のラチェットがかみ合わさって動力を伝達する構造ですが、
まんまDTのスターラチェットですね。丸パクリ。

中身を覗いてみようかと思ったのですが、軸にはアーレンキーがひっかかる場所がなく、
まさかと思いながらもDTのハブと同じようにフリーボディを引っ張ってみると
すっぽり抜けました。そこまで同じ構造なのかよ。


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開けてみたらご覧の通り。
手前側に引っかかってるのがスプリングで、奥に見えるのが二枚のラチェットです。
使われているグリスは今までと違うタイプのもの。
触った感じではテフロングリス系に似ている様な気がしますが、
全然自信はありません。Mavicが公式にグリスを出してくれると良いのですが。

DTのスターラチェットについてですが、シマノのSCYLENCE(何処かに消えた)や
ZIPPのAxialClutchなど、近年一気に類似した機構が出ているように思います。
DTのパテントが切れたのか、それとも急に技術供与に積極的になったのか…
多分前者かな、なんて妄想しています。



体重測定





ということで、重さを測ってみましょう。
公式発表では
前輪:645g
後輪:805g

とのことです。(リムテープ除く)


さて、前輪実測…

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なるほど。

後輪は…

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前輪:680g
後輪:872g

という結果になりました。
リムテープを一本20gと見れば、前輪についてはそれほど問題ない重さでしょうか。
それでも後輪は50gほど余分に重いようです。

元々重量についてはたいして期待していない上、
前後で1550gであれば全然許容範囲なので別に良いのですが。


ちょこっと乗ってみて




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(乗っているのは友人です)

まだ荒川や都内を軽く走っただけなので総合性能は全く分かりませんが、
このホイールめちゃくちゃに速いです。

初期加速こそ軽量リムホイールの勝手に回る感覚には劣り、意識して押してあげる必要がありますが、
28km/h程度から急に楽になる感覚が凄まじいです。
ホイールが勝手に回っているような感覚に囚われ、35km/h程度までシュルシュルと速度を上げていきます。


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リム幅のおかげか、シャマルなど硬いリムに有りがちな縦方向の板感、嫌な突き上げなども皆無。
空気抵抗が低いかどうかは体感できませんが、斜め風や横風でハンドルが持って行かれることもなく、
非常に安定してひたすら直進しつづける、猛牛のようなホイールです。


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そして、特筆すべきはブレーキング性能
まるでエグザリットのような、およそカーボンリムとは思えない制動力です。
目をつぶってブレーキングしたらエグザリットかiTgMaxか区別できないかも…と
思わされてしまうほど、とにかくよく止まります。
感激します、コレ。
海外のインプレがとにかくブレーキ性能について褒めまくっている理由がわかりました。
これだけでもこのホイールを選ぶ価値があると思うほどの素晴らしいブレーキ性能。
是非試して頂きたいです。


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付属のタイヤ、イクシオンプロは相変わらずホイールをスポイルする類の微妙な代物なので、
少し試した後にContinental GP4000S2の25cに交換しました。
殆ど28cあるのではないかと思ってしまうほどのボリュームを持ちながらも
非常に軽量なこのタイヤと、コスミックプロカーボンのワイドリムが生み出す走行性能が
とても良くマッチしており、大変気に入っています。









まとめ





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少なくとも手にとって眺めて、軽く乗ってみた限りでは、
Mavicはかなり完成度の高いものを投入してきた印象です。

いやしかしそんなことはどうでもよくて、
とにかくカッコイイです。
40mmという程よいハイトで、ワイドリムのボリューム感ある姿は
近年のロードバイク、というかC60にはぴったりマッチしていて
それだけで満足です(笑)


登り・下り・コーナリング・ロングでの快適性など、
細かいインプレッションはもう少し乗ってから書きます。
 


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ちなみに、ホイールのSSCロゴをプロバイクのように延長するステッカーが付属していたのですが、
何故か片輪分しか入っていませんでした…貼りたかったのに。
どこかで売ってないかなと探しているんですが、なかなか見つかりませんね。


→その後のインプレ記事