「いつか」って、今だ。
Willierの箱に入って来日した彼女は、あまりにも美人でした。
彼女のために準備した、ぴったりのシートポスト。
一本だけ在庫を見つけて飛びつきました。
お似合い。
嫁入り道具も、非常に豪華。
ヘッドキャップが三種類に、トップキャップ、チェーンキャッチャー、コルナゴのロゴが刻まれたボトルケージボルトまで。
寝食を忘れて組み上げました。
少しグラマラスで、でもやっぱり凛とした立ち姿。
はい。
買いました。C60。
当初はプロチームカラーの795を探していたのですが、C60のあまりの美しさに一撃KOです。
「いつかはコルナゴ」などという言葉が語られたりもしますが、いつかどころの話ではありませんでした。
C60を買った理由は3つ。
1. 「コルナゴ」だから
2. 「カーボンラグドフレーム」だから
3. 「塗装が綺麗」だから
要するに、「今乗ってるCANYONと真逆のフレーム欲しくない?」ってことです。
"コルナゴ"
コルナゴといえば、創業1956年創業のイタリアンメーカー、らしい。
コルナゴのこれまでのイメージは、2つ。
1つは、「見た目が綺麗でやたら高いブランド」。
ちょっと暑苦しいほどの塗装とクラシカルな雰囲気の押し出しで、
なんとなく高嶺の花のような、ついつい目を惹かれるそんなブランド。
フレームにグラデーションを使ってるフレームって最近殆ど見ない気がします。
もう1つは、「プロロードの最前線で走るブランド」。
引用:Eurosport
トップチューブにジェット戦闘機が描かれたExtreme-powerでかっ飛ぶアレサンドロ・ペタッキ。
引用:Le Grande Boucle
2005年にプロトタイプのエクストリームCを駆って山岳賞を獲得したミカエル・ラスムッセン(なおドーピング)。
引用:Cycling Hall of Fame
デニス・メンショフ。(なおドーピング疑惑)
個人的には、ラボバンク供給時代のミステリアスなヌードカーボンフレームが好きでした。
引用:Cyclowired
それから当然、新城幸也選手もコルナゴでした(なおモノコックの方を好んでいた上に今はメリダ)。
そんな、まったく違う二面的な印象です。
芸術品のような、美しい構造物という側面と、
レースで勝利をもぎ取る俊馬としての側面と。
これらを両立出来ているブランドは少ないと思います。
コルナゴのC60は今日では珍しく、それを両立している稀有なフレームだと思っています。
まあ、かなり芸術品寄りだとは思いますが。塗装重いでしょうし。
(機能を追い求めるならむしろやりきって欲しいので、やりきった感のある
LOOK 795 Aerolightはめちゃくちゃ欲しいです。
ただ、今年モデルのペイントが気に入らないので買えず…
後はピナレロでしょうか。DOGMA60.1の塗装は美しかったです。
ここ数年はF8など「速いバイク」としての側面を重視しつつあるのかなぁ、と思いますが。
あと、機能が透けるような造形のほうが売れそうではあります)
2. ラグドカーボン
一番好きなフレームを一本挙げるとすれば、手元に保管してあるLOOK 585 ULTRAです。
585ULTRAは、ラグドカーボンが栄華を極め、ある意味で"滅びた"時代を生きたフレームだと思っています。
それは同LOOKの595しかり、TIMEのVXRSしかり。
2010年前後に、彼らは皆退役してしまいました。
コルナゴは、それに最前線で抗い続けた、おそらく唯一のメーカーと言っても良いと思います。
左にコルナゴのCシリーズ/Eシリーズを時系列順に並べました。
右には新しい時代の象徴となったモデルを3本。
C40から始まったラグドカーボンのCは、10年後の2004年にC50へと受け継がれます。
2004年といえば585Ultraがデビューした年でもあります。
しかし、C50からの10年間で、カーボンは著しく進化しました。
S-works TarmacはSL2でトップスプリンター トム・ボーネンのスプリントに耐える剛性を身につけ、
Madone SSLはコンタドールの勝利とともに流線型の6.9Proへと姿を変え、
Prince Carbonはカーボンならではの造形を全身に身にまとい、新しいイタリアンデザインと高性能を両立させます。
コルナゴも時代の流れに対抗するために、Extreme-C、Extreme-Powerと軽量特化、剛性特化の2モデルを出します。
今から考えれば、これがラグドカーボンの当時の限界だったのかもしれません。
軽くて硬くて快適という幕の内弁当的なフレームを作るのは、単純なパイプ形状を持ったラグドカーボンには難しいテーマです。
(コルナゴもそのあたりは分かっているので、GIANT製のモノコックフレームM10やV1-rをラインナップしているのでしょう。実際、プロはモノコックモデルを多く使っている気がします)
引用:cyclowired
Extreme-CとExtreme-PowerはEPS(Extreme-Power-Super)に統合され、さらなる進化を目指します。
一方で、コルナゴはモノコックフレーム、M10も投入します。
この辺りからちょっとすみ分けがわからなくなって来ますが、Cシリーズは揺るがず。
50番代のCシリーズ集大成としてC59を投入します。
引用:cyclowired
丸パイプを主体としつつも、パイプ内のリブを更に強化したC59。
旧態然としたラグドカーボンで、やれるところまでやり尽くしたのではないかなと。
このように、C59を「C60の一歩手前」ではなく、「C50時代のフィナーレ」と考えていた僕は、C59よりも、むしろC60がとても気になっていたのです。
何故なら、僕が持っている585UltraはC50時代を生きたフレームなので、C59は同じテイストを持っているかもしれないけれど、
C60は一つの時代の幕開け。
C50-EPS-C59が創りだした世界とは違ったものを持っているのではないかと思ったので。
引用:cyclesports
そして、C60は実際にもの凄い変化を遂げました。
それが進化であるかどうかはともかく。
ただ、このフレームは自転車史に残る、と僕は強く信じています。
恐竜的進化を遂げたラグドカーボンの残火なのか、一つのジャンルの確立なのか。
イタリアのパマペイント社で行われるという、手作業のエアブラシ塗装。
全てのモデルに施されるわけではありませんが、コルナゴを象徴する要素の一つでもあります。
いや、確かに塗装は重いです。
塗装で250gも乗ったらフレーム重量3桁台は難しいです。
実際に、C60のフレーム重量は1,000gを超えています。
しかし、マットブラックのCANYONを所有してみて分かったことは、
僕は思った以上に「自転車の美しさ」に価値を見出している、ということです。
これは個人の価値観なので、
一番速く楽に移動できる自転車に乗りたい人もいるでしょうし、
形がとにかくかっこいい自転車に乗りたい人もいるでしょうし。
ただ、何気なく壁に立てかけたバイクをフッと見た時に、
見慣れているはずの自分のバイクに目を奪われてしまう感覚はなかなか素敵なものだと思っています。
というわけで、綺麗なフレームが欲しかったのです。
ところが、塗装が美しく、化粧カーボンの地が見えており、かつクリアが吹かれているフレーム、
探すと意外と無いものです。
そこで、コルナゴです。
C60に残されたアールデコ調のクラシックシリーズ。
これが最高にツボでした。
ちなみに、C60にも割りと見た目が普通なベタ塗りのものもあります。
クラシックシリーズは明らかに工数が多そうな見た目をしているので、ベタ塗りと同じ値段で本当にいいのか?と思わなくもありません。
長くなりそうなので、続きは次回で。
(コルナゴもそのあたりは分かっているので、GIANT製のモノコックフレームM10やV1-rをラインナップしているのでしょう。実際、プロはモノコックモデルを多く使っている気がします)
引用:cyclowired
Extreme-CとExtreme-PowerはEPS(Extreme-Power-Super)に統合され、さらなる進化を目指します。
一方で、コルナゴはモノコックフレーム、M10も投入します。
この辺りからちょっとすみ分けがわからなくなって来ますが、Cシリーズは揺るがず。
50番代のCシリーズ集大成としてC59を投入します。
引用:cyclowired
丸パイプを主体としつつも、パイプ内のリブを更に強化したC59。
旧態然としたラグドカーボンで、やれるところまでやり尽くしたのではないかなと。
このように、C59を「C60の一歩手前」ではなく、「C50時代のフィナーレ」と考えていた僕は、C59よりも、むしろC60がとても気になっていたのです。
何故なら、僕が持っている585UltraはC50時代を生きたフレームなので、C59は同じテイストを持っているかもしれないけれど、
C60は一つの時代の幕開け。
C50-EPS-C59が創りだした世界とは違ったものを持っているのではないかと思ったので。
引用:cyclesports
そして、C60は実際にもの凄い変化を遂げました。
それが進化であるかどうかはともかく。
ただ、このフレームは自転車史に残る、と僕は強く信じています。
恐竜的進化を遂げたラグドカーボンの残火なのか、一つのジャンルの確立なのか。
村方@murakata_「歴史に残る自転車を買うべきだ」と後輩に熱弁していたらどうやら自己洗脳されたらしく自分が買ってしまった
2016/08/28 20:46:45
3.塗装
イタリアのパマペイント社で行われるという、手作業のエアブラシ塗装。
全てのモデルに施されるわけではありませんが、コルナゴを象徴する要素の一つでもあります。
いや、確かに塗装は重いです。
塗装で250gも乗ったらフレーム重量3桁台は難しいです。
実際に、C60のフレーム重量は1,000gを超えています。
しかし、マットブラックのCANYONを所有してみて分かったことは、
僕は思った以上に「自転車の美しさ」に価値を見出している、ということです。
これは個人の価値観なので、
一番速く楽に移動できる自転車に乗りたい人もいるでしょうし、
形がとにかくかっこいい自転車に乗りたい人もいるでしょうし。
ただ、何気なく壁に立てかけたバイクをフッと見た時に、
見慣れているはずの自分のバイクに目を奪われてしまう感覚はなかなか素敵なものだと思っています。
というわけで、綺麗なフレームが欲しかったのです。
ところが、塗装が美しく、化粧カーボンの地が見えており、かつクリアが吹かれているフレーム、
探すと意外と無いものです。
そこで、コルナゴです。
C60に残されたアールデコ調のクラシックシリーズ。
これが最高にツボでした。
ちなみに、C60にも割りと見た目が普通なベタ塗りのものもあります。
クラシックシリーズは明らかに工数が多そうな見た目をしているので、ベタ塗りと同じ値段で本当にいいのか?と思わなくもありません。
長くなりそうなので、続きは次回で。
コメント一覧 (9)
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- September 04, 2016 20:18
- >ST02さん
こんばんは、いつもありがとうございます。
なるほど、そのST02だったわけですねw
MHYLもいい色です。個人的にはST01も。
C60、その美しさに価値を見いだせるのであれば、必ず買って損は無い一台だと思います。
色によってはどぎついまでの色合いですが、クラシックカラーに関してはわりと落ち着いているというか、
例えばクラシックホワイトは蒔絵のような風合いがあって日本的な気配もあります。
コンビニの例はまさしくその通りで、その嬉しさだけでも買ったかいがあるというものです。
是非。
-
- September 05, 2016 22:27
- 偶然ブログをお見かけし、楽しく拝見しています。貴ブログに触発され、キャニオンアルティメット購入計画中ですが、当方の身長は173cmでちょうどサイズの境界です。キャニオンのサイズ診断ではSでした。何かアドバイスいただけると幸いです。
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- September 06, 2016 08:35
- >服部さん
初めまして、コメントありがとうございます。
購入計画はとても楽しいですね。
Ultimateですが、SL/ALとSLXでジオメトリが変わってきますが、
2点確認するべき部分としては、リーチとヘッド長です。
まず、現在既にロードに乗られているのであれば、今のフレームのリーチを調べてみましょう。
CANYONは全てリーチを掲載していますから、ステムで吸収出来る程度のリーチ違いに収めるのが良いかと思います。
具体的には、90mm~110mmのステムで乗れればベストかなと。
リーチが分からない場合は…ジオメトリ表からの推測になりますが。
2つめに、ヘッド長です。
SLの場合、ジオメトリ表に掲載されているヘッド長とは別に、特殊なヘッドパーツで+16mm高くなってしまいます(現行のSLXについては不明です、すみません)。
ハンドルを低くしたいというのであれば、リーチが許す範囲で小さいサイズを購入するべきかと思います。
自転車の場合は「大が小を兼ねる」ことはあまりありませんが、「小が大を兼ねる」ことは往々にしてあると思っています。
-
- December 17, 2016 18:52
- はじめまして、こんばんは。
私も最近C60を購入し、ブログの記事は大変参考になりました。ありがとうございます。
クラシックホワイトはやっぱり美しいですね…
私はクラシックホワイトと散在悩んでイタリアンホワイトにしました。
ちなみに、私はSCOTTの箱に入って届きました(笑)
突然で申し訳ございません。
お聞きしたいことがあるのですが、BB下のケーブルガイドは付属していましたか?私のものは付いてませんでした。
あと、ヘッドキャップを白から黒に変えられたようですが、購入先を教えて頂くことは可能でしょうか。
よろしくお願いします。
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- December 18, 2016 14:52
- >コウさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
イタリアンホワイトもクールですよね。シートチューブのトリコローレがとても魅力的です。
箱が適当なのは何処も同じなようですね(笑)
BB下のケーブルガイドは付属していました。
汎用品の平行配置のものではなく、ハの字にガイドが配置されたものなので、恐らく専用品なのだと思います。
ヘッドキャップは白が1つ、黒が2つ付属していましたので、別途購入等はしていません。
白のフレームには白のヘッドキャップが付属すると聞いていたので、単なるおまけかもしれません。
お役に立てず申し訳ありません。
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- December 18, 2016 17:24
- 早速のお返事ありがとうございます。
ケーブルガイドは専用品とのこと、参考になりました。購入店に問い合わせてみようかと思います。
キャップのおまけは素晴らしいですね!
これからもブログ楽しみにしております。
-
- December 13, 2018 00:31
- こんばんは!初めましてm(_ _)m 僕も同感です! コルナゴ素晴らしいですね 目を奪われましたし 保養にもなります。僕は初めましてのロードバイクとして 色々と紆余曲折してですが、TIMEのVXRS持ってます。全然乗る機会が無くて倉庫に眠ってまして 、、。そろそろ(遅いですが)目を覚まさせる為、メンテ+パーツのグレードを上げようか考えてる次第です。それにしてもコルナゴC60素晴らしく良いですね(o^^o)
-
- December 19, 2018 10:32
- >モニモスさま
はじめまして、コメントありがとうございます。
VXRSをお持ちとのこと、羨ましい限りです。
あれも手元に置いておきたい一台ですが、人気が高くなかなか手頃で状態のいいものは手に入りませんね。
C60もVXRSも、ラグフレームの直線的なシルエットには古典的な美しさが感じられます。
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C60、選ばれたんですね。
執拗なまでにロードバイクに『美しさ』を表現しつづけるブランドがコルナゴだなと、C60を見てそう思います。
私もC60をこのごろ想っていて、31日の赤レンガ倉庫に行ってきました。
奥ゆかしい(?)日本人には、ちょっと腰がひけるくらいのまばゆさ。たまりませんね。
コンビニで飲みものを買って出てきたときに目に入る、自分のバイクの美しさにコッソリ嬉しくなる感じ。C60の上はいないと思います。