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億劫な冬、自転車に乗らないでいるとどれほどのフィットネスを失うのでしょうか。
冬に入るとどうにもこうにも走る気が失せてくるのは僕だけでは無いと思います。
「ほら、プロもオフシーズンとかあるし」なんて言い訳は、乗り込んでいないホビーライダーにはむしろ通用しないことも分かってますが、外走は寒いし着こむだけで面倒だし…
なんて思って乗っていないと段々愛車に申し訳なくなったり、自分のフィットネス低下を心配したり…



去年は夏に一ヶ月ほど自転車に乗れない日が続いたのですが、その後は明らかに身体が弱体化しているのが判りました。
それを思い出すと冬でも乗っておかなきゃなーとも思うのですが、実際に乗らないままでいるとどれくらい能力が低下するのか知りたかったので調べてみました。
※今回は完全なまとめ記事なので、個人的なアイデアとかは全くありません。



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練習しないとどれくらい能力が低下するのか?





参考にしたのはじてトレの「練習できなかった場合に体力はどれくらい低下するか」とRCUKの「Six things you need to know about... detraining」です。
 

じてトレで示されている例は3週間トレーニングを行わなかった場合の各能力の変化です。

■3週間トレーニングをしなかった場合の生理機能への影響

生理機能変化幅
心臓の1回拍出量-10%
最大限より下で運動時の心拍数+4%
血漿量-12%
毛細血管密度-7%
好気性(有酸素性)酵素-29%
血中乳酸+88%
LT(乳酸閾値)-7%
疲労するまでの時間-10%
VO2max-8%

この数値を見ると、各能力が10%前後低下していることが分かりますね(恐怖を感じます)。 
LT値(有酸素強度内)が7%、VO2maxが8%低下という数値はシリアスに練習している人にとっては特に恐ろしい数値だと思います。
興味深いのは心臓の1回拍出量が10%も低下する点ですね。
心臓が3週間でここまで環境に順応するというのは面白い話です。
心臓の1回心拍出量は前負荷、後負荷、収縮性の3つの要因から変化するそうですが、どの面が影響しているのか気になるところです(参考)。 






RCUKの方では、時系列順に何が起こるのか記されています。
怪しい翻訳で要約させてもらいますと、

能力低下は3~5日の無運動期間で起こり始めるが、 最初に起こるのは血液量の減少。これにより高強度走行に必要な酸素を運搬する能力が低下し、心拍数が上昇する。

10日間を過ぎるとVo2maxの低下が始まる。 原因の一部は筋肉内のミトコンドリア量が減少するため。
また、呼吸酵素系?(respiratory enzymes)の量も減少する。これらの理由から取り込んだ酸素を上手く使うことが難しくなる。

個人差はあるが2週間でVO2maxは20%程度低下する(じてトレと大きく数値が違うのが興味深い所)。
また、2週間から4週間で心臓の一回あたりの拍出量が低下する(さらなる心拍数の増加?)。

これ以降は心臓の一回あたりの拍出量、ミトコンドリア量、筋肉量などが相次いで減少する。

⑤より高強度の能力(ベースよりもピーク)から順に失われる。
先に低下するのはVO2maxとパワー(ペダルを押す力全般)であり、エンデュランス能力は最後に失われる。
つまり、3~5分の短時間高強度能力や、重いギアを踏む能力は早く低下する。一方で低強度のロングライドや軽いギアでの高ケイデンスに対応する能力はそれよりも後に低下する。


ということらしいです。
以上の内容は自分の体験ともそれなりにリンクしています。
一ヶ月ぶりに自転車に乗ると、ゆっくり走っている分には良いのですがちょっと強度を上げると以前のように対応できない自分に気が付きます。
また、ペダルを押す力としてのパワーの低下ですが、単純に脚の筋力だけではなく姿勢制御や荷重など、コア周りの筋力も低下している気がします。


回復するまでにどれくらいかかるのか?




では、低下した能力を回復するのにどれくらいかかるのでしょうか。
RCUKでは一例として「オリンピック選手が8週間の休息の後に以前の能力を取り戻すのに20週間を費やした」と紹介されています。
しかし、この選手の場合にはオリンピックに能力のピークを持ってくるようにしているでしょうから、ピーキングの一環と捉えれば良いかと思います。

ホビーレーサーでも同様に、一年で最も力を入れているレースに合わせて高強度面を強化していき、終わったら一度疲労を抜くために運動量を低下させる、というルーチンとなるでしょう。
ピーク後に一度レスト期間を設けるのは、レストなしでは維持できないほどの高強度トレーニングを行なうことで最高の能力を組み上げるべきだからだと思われます。
つまり、本命の5ヶ月前程度を目安に練習を開始すればいいということですね。
 
一方でロングライドをメインとするライダーであれば、エンデュランス面は比較的低下が遅いということですから、身体が動作を忘れないように(筋神経の維持)最小限の時間自転車に乗るだけでも能力維持には十分有効だと思われます。
つまり、さほど心配する必要はないということですね。




今回調べてみた結果、ゆるポタメインの僕としてはとにかくローラーで足を回すだけでもやっておこうかな、という決意を新たにしました。
一方で高強度面を完全放棄するのも良くないので、これまで通り30-30やTabataなどのHIITを時折挟むことで最低限の能力を維持しようかと思います。

また、これにより以前から気になっていたランニングの効用について多少の指針が見えてきました。
ランニングが自転車に効くかどうかは「追い込みやすいから効率のよいトレーニング」という意見と「自転車の動きと違うから、その時間があれば自転車に乗るべき」という意見とで二分されているような気がします。
ランニングには膝の故障リスクもあるので一概に良いとは言いがたいと思うのですが、例えば自転車に乗れない期間であったり、寒すぎて自転車には乗りたくない時期などにはランニングで心拍面の能力低下を抑えるのは良い方法であるように思われます。
ランニングであれば心拍を追い込みやすいので、低下が早い高強度面の能力維持に役立つでしょう。


どちらにしても、あまり心配しすぎるのは良くなさそうですね。
今年も楽しく乗りましょう。